小包中納言物語

2Eギフテッドな蟲愛づる娘のホームエデュケーション

参院選に向けて #不登校新聞 が各党に不登校についてアンケートしていた。

futoko.publishers.fm


明日の投票日に向けて非常に参考になります。

【Q1.不登校および不登校傾向に対する現状認識は?】

【Q2.不登校に今もっとも必要な具体的な取り組みは?】

どちらも不登校当事者家庭には死活問題です。はっきり言って改憲だとか消費税なんかより重大な争点です。以下、不登校生徒の保護者として、各党の回答にツッコミを入れていこうと思います。

 【自民】

まず乗っけから「虐待で不登校となっている可能性があり…」と来ました。「虐待」ってもちろん教員による虐待ですよね?ですよね?

え、親の虐待?そうですか、親の責任ですか。つまり不登校は家庭に責任があると、こう言いたいわけだ君は。ところでこちらのニュースは当然ご覧いただいてますよね。どう整合性をつけるんでしょうか。

f:id:insects:20190721015203p:plain

不登校「先生が原因」 認知されず ―学校調査と本人調査のギャップから考える(内田良) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

また、不登校を経験した人は中高年になっても社会的に自立できない傾向があります。

(略)

こうした面からも、学校と家庭、関係行政機関と地域社会が総力をあげて取り組むべき課題だと考えています。

 もう不登校になったら最後、生産性も低いし、犯罪予備軍でもあり、要するに社会のお荷物だから、原因である親・家庭を学校・行政・地域で見張っていきましょう。従わない場合には引きずり出せ。「おれは今から、お前たちを殴る!」──そんな昭和の学園スポーツドラマのような、熱いメッセージが麻倉未稀のソウルとともに聴こえてくるようです。

www.youtube.com


A2.「登校を目標にした指導をしないよう、すべての教師に文部科学省通知の周知徹底をするべきです。」── お、やればできるじゃないですか。あの通知、どうも教育長で止まってるみたいなんですよ。

続いて、

スクールカウンセラーの配置などによる教育支援センターの機能強化、及び同センター設置の全国展開
不登校の子供に配慮した特別の教育課程を編成する不登校特例校の全国展開
③学校外で学ぶ子どもへの支援
④夜間中学の設置促進・教育活動の充実と就学希望者への支援
⑤教育支援センターや不登校特例校との連携強化

不登校になってしまった子供に対しては、まずまずな政策だと思います。正直、スクールカウンセラって頼りにならないし、即効性も疑問で我が子の義務教育には間に合わなそうですが、長期的にみて娘の後輩たちのためにはなるともいますので、A1.のことは忘れて気長に粛々と進めて頂きたいものです。

A1.(前略)虐待で不登校となっている可能性があり、また、不登校を経験した人は中高年になっても社会的に自立できない傾向があります。こうした面からも、学校と家庭、関係行政機関と地域社会が総力をあげて取り組むべき課題だと考えています。


A2.登校を目標にした指導をしないよう、すべての教師に文部科学省通知の周知徹底をするべきです。そして、これからは(①~⑤)などの施策に取り組むことが重要だと考えています。


【公明】

A1.「不登校の原因は、いじめや友人関係などさまざまな理由があり、不登校はどんな子どもにも起こり得ることだと考えます。」

「教師との関係」が入ってない点がやや気になりますが、先ほどの【自民】の現状認識とは雲泥の差です。あ、旧・創価教育学会が支持母体なんでしたっけ。

公明党が推進して成立した教育機会確保法には、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性」が明記されており(略)引き続き、子どもや保護者、教師等へ休養の必要性について周知するとともに、不登校の子どもたちの教育機会を確保する支援が重要です。


理念法としての「教育機会確保法」のアピールですね。とはいえ、「休養の必要性」は既に十分すぎるぐらい周知されていますし、逆に「分かってますって、休養が必要なんでしょ?」と終業式の連絡も来なかった、更には先生から連絡が来るのは集金のときだけ、という親御さんの声もありますし、むしろ周知すべきは「不登校中の家庭学習の出席扱いと成績への反映」にまで踏み込んだ文科省通知なんじゃないかなあ、という気もします。

A2.「学校に登校できなくても、勉強したい子どものための多様な学びを支援することが重要」

・家庭の経済的負担が大きいフリースクールに対する公的支援
不登校の子どもたちを対象とした特別な教育課程を編成・実施する学校の設置促進
・教育支援センターの更なる整備
・ICT を活用して不登校の児童生徒の自宅での学習成果を学校での成績として認める

こちらも「不登校になってしまった子供」に対しては、悪くない支援が並んでいると思います。フリースクールへの公的支援だけにとどまらず、不登校特例校や在宅学習など、多様な教育機会をバランスよく確保しようとしていますね。

【立憲】

A1.文科省調査の不登校の小中学生は14万4000人、不登校傾向にある中学生は33万との数字の実態、子ども達の現実を踏まえた公教育のあり方を検討すべきだと考えます。

A2.すべての子どもたちの学ぶ権利を保障することが重要だと考えます。一人ひとりに寄り添った、多様な学びを保障します。不登校の子どもとフリースクール等への支援を推進します。

 

以上、全文です。あっさりしてますね。ほう、これがリベラル野党第一党ですか。私からのツッコミもさすがにあっさりせざるを得ません。

 

【国民】

A1.つらい思いを抱えながら、なんとか学校に通っている(略)「不登校傾向」にある子どもたちが多くいることを前提に、支援策を進めるべきだと考えます。


A2.「不登校を特別な問題行動と判断せず、不登校の子ども一人ひとりに寄り添い、子どもの意思を尊重した支援を拡充」⇒具体的には「スクールカウンセラーやガイダンスカウンセラー等の配置を進め、一人ひとりの状況に応じた相談体制の充実を図る」

すみません、不勉強なもので「ガイダンスカウンセラー」なる資格は初耳です。「心理やその他の問題を抱えた、不登校になる手前の子ども」を援助する資格のようですね。

ガイダンスカウンセラーは学校教育の場において子どもたちの学習、進路、人格・社会性、健康の面における発達を援助する教育の専門家である。(略) 心理相談だけでなく、学業・進路・人格形成・社会性・健康など様々な面で支援を行う者とされ、その点、文部科学省派遣のスクールカウンセラーである臨床心理士精神科医などとは性格や守備範囲が異なる。[ガイダンスカウンセラー - Wikipedia]


「多様な学びを保障するため、フリースクール等への支援を推進」

こちらにも超党派フリースクール議連の主張が反映されています。

 

【共産】

A1.不登校が過去最多となり、不登校傾向の中学生が推計33万人という現状は、学校のあり方が本格的に子どもに合わなくなっていることを示しています。その根本には、点数だけでなく態度まで対象とするような競争教育、「ブラック校則」「ゼロ・トレランス」などの異常な管理教育が、人権や多様性という時代の流れに逆行して強められてきたことがあります。学校を個人の尊厳、子どもの権利を大切にする場に転換することが求められていると思います。

これまでの各党の現状認識から一転して、現代の学校の息苦しさの本質に迫ろうとし、学校のあり方そのものを問い直しています。

少し解説を加えると、「点数だけでなく態度まで対象とするような競争教育」とは「態度・関心・意欲」を点数化して公立高校入試の選抜に使われるという「観点別評価」を指します。「管理教育」とは、はるか昭和の時代にその非人間性が批判された学校運営ですけれども、現代になって改善されるどころか、かえって異常な管理教育が強められていると主張しているのです。こうした認識は、いまSNS上に溢れている、実際に不登校中の生徒たちと、その不登校の子どもを育てている親御さんたちの声とも合致します。そしてもちろん、私もこの点には完全に同意します。

 

A2.(略)その変化を踏まえた現実の施策の改善が重要で、


①全自治体で公的な支援教室を設置し、学校復帰を前提としない子どもが安心できる居場所とする
②行政とフリースクール、親の会など民間団体との豊かな協力関係を広げる
③行政計画から「不登校ゼロ」「半減」といった不登校への否定的なまなざしを一掃する


の3点が重要だと思います。

 


……はい? 

 

 

あのう、我々の話聞いてました?

 

「現代の学校の息苦しさ」は?

 

「観点別評価」「異常な管理教育」は??

 

不登校になった子ども」への支援としては凡庸ですが、「不登校になる手前の子ども」や、そもそも不登校になる子が減るような息苦しくない学校をどう作っていくか、具体的な政策が回答されていない。

 

これでは正直、自民・公明との差別化にはなりませんね。

 

【維新】

A1.(略)不登校は未然防止が重要であり、

うんうん、そうですよ、異常な管理教育の教科を見直して、息苦しくない学校にすれば未然予防が可能なんですよ。

兆候を示す生徒については、小学校において早期に対応するとともに、中学校へのていねいな引継ぎをすることが重要である。

ん────どうでしょう、生徒に兆候がある、ということでおk?

 

A2.不登校の未然防止には、子どもが発する悩みのシグナルをいち早くつかむことである。子どもだけでなく、取り巻く環境を含めて背景、原因の究明と解決までの手立てを考えて対処するなど、スクールカウンセラーなど専門職を交えた役割を明確化したチームで対処する。

いやだからその、背景・原因を究明すると学校の息苦しさ等、【共産】のような現状認識に行き着くわけですよ。

 

担当教員が問題兆候のある生徒を抱え込んでしまうと対策が取れなくなるので、チームによる支援体制を周知徹底する。スクールカウンセラーが相談に応じる窓口をつくる。

ああー、「問題兆候のある生徒」って、ようするに不登校は問題行動だと。っつうか、そっからですか?そっからまた議論します?

 

こちら東京都民だから詳しくわからないですけど、身を切る改革とやらで大阪の公立学校が大変なことになっているらしいじゃないですか。私の後輩も旧帝大の理学部を出て、体育会系の部活で主将も務めたほどの大変に人望のある人材だったんですけど、こないだねえ、大阪の公立中学の教員を辞めて、ビリギャル塾に転職したんですよ。そうやってどんどん優秀な先生方が追い出されていってるんじゃないですか?

 

さすがに見かねた府内在住のフォロワーさんが「学校の先生がその良さを発揮できるようなゆとりを下さい(労働環境改善)」の署名を集めてますんで、そういうところからまず改善してほしいものですね。

www.change.org


【社民】

A1.不登校の数が5年連続の増加傾向にあるということは、政府の対策が不十分であることの証左と考えます。そしてご指摘のように、不登校の背後に、多くの困難を抱えながら通学する子どもたちの存在を考えると、支援策の拡充は一刻の猶予もありません。


A2.不登校児童に寄り添うため、学校や地域に専門の支援員などを十分に配置するとともに、学齢期に修学することができなかった方々に、普通教育を受ける権利を実質的に保障するための学級、学校の設置や援助を進め、地域での多様な学びのニーズの受け皿づくりが必要です。


実は私、社民党には謝らなければなりません。Twitterでこのようなアンケートをツイートしたのですが…

 
社民党って、まだあったんですね😅

誠に申し訳ありませんでした。m(_ _)m

 

正直、不登校政策としては他党とそう大差ないようにも思えますが、フォロワーさんからこのような素晴らしい候補者がおられると教えていただきましたので、「党より人」という感じで応援させて頂きたいと思います。(投票するかは別ですよ(^o^) )

 

 


【れいわ】

 今回、「れいわ新選組」にも回答をお願いしておりましたが、回答の〆切期日までにお返事をいただくことができませんでした。また、漢字仮名づかいのみ編集部にて校正。(編集部より)

 


何しとんねん!!

 

 

とういうわけで、総じて「不登校支援策」と「オルタナティヴ教育推進」とがごちゃまぜに主張されており、不登校予防策として、強化された異常な管理教育をどう改善していくか」という根本的な解決策がどの党からも提示されていません。この点に関しては北海道大学の横井敏郎(教育行政学)が完結に論じているのでご一読下さい。

www.jstage.jst.go.jp

 


正直、学校に行きたいのにいけない不登校の子どもをもつ保護者としては、どの政党も信頼できません。この現実に、ただただ落胆するばかりです。

 

もしかすると、他の分野の政策イシューについても同様のすれ違いが生じているのではないか、こういうところから政治不信は募っていくのではないか、と考えさせられる今年の参院選でした(過去形)。

 

あーあ、もう投票日になっちゃったよ。

 

台風も来てるし、面倒くせえなー。

weathernews.jp

 台風5号のダナス(Danas)は、フィリピンが提案した名称で、「経験すること」という意味です。