小包中納言物語 - AS Loves Insects -

2Eギフテッドな蟲愛づる娘のホームエデュケーション

人生初・蟲愛づる娘の学習机ついに購入

今まで我が家には娘の個室も、勉強机もありませんでした。

ここで「じつは個室や勉強机の所有率と子どもの成績とは反比例することが知られています」といった説得力のあるエビデンスの一つでも提示できてこそ、イクメンの嗜みというものなのでしょうが、あいにくこれは単なる親としての価値観の問題です。「よそはよそ、うちはうち」なのです。

 

 

しかも実際は逆です。「勉強机の有無と成績とは相関がある」というデータがあります。新潟大学の北條雅一准教授(教育経済学)によれば、家庭に自分の学習机がある生徒は、持ってない生徒に比べて、数学の成績が平均で3.751点高いそうです。*1

学力の決定要因─経済学の視点から(PDF:360KB)

北條 雅一(新潟大学経済学部准教授)

さらに、内閣府の調査によると、非行少年は一般少年に比べて自分の机の所有率が低いという報告まであります。まあ当たり前っちゃあ当たり前のデータなのですが、今どき「非行少年」という用語を使う人種がまだ生息してたのか!という点で驚くべき調査結果です。*2

 

世間では、小学6年ともなれば中学受験組でなくとも学校や塾の宿題に追われたり、結構な時間を机に向かって過ごしているのかもしれません。ただ、私自身が両親から

こら!勉強なんかしてるとバカんなっちまうぞ。あばれはっちゃくみたいに学校から帰ったらランドセル放り投げて日が暮れるまで外であそんでろ。父ちゃん情けなくて涙出てくらぁぃ!

と育てられたせいか、どうも小学生に個室を与えたり、ましてや勉強机を買い与える気になれなかったんですよね。

 

それと、子どもの頃に観た『北の国から』の根底にある教育観からも、少なからぬ影響を受けている面もあります。例えば東京からの転校生を受け入れるのは気が重いと渋る分校の先生に、父親が頭を下げて頼み込むシーン。

www.youtube.com

……ただ……どういうのか。

どういうかこの子どもが……

 

なにも……。

実際に……、一人でやれんのに……。

 

知識ばっかは……いっぱい知っとって。

 

それが……。どういうか……。

それがまァいまの……小学校の教育かもしらんが……

 

オレにとっては……そんなのはコノ……

何ちゅうか……人間が生きてく上でコノ

人間が……一人で……生きてく上で……

 

オレは……馬鹿だから……うまくいえんが

要するにオレは……そこらへんとこを……*3

始めはじっと書類を見ているだけで顔を上げようとしなかった先生も、汗みずくで必死に言葉を探す父親の顔に、いつの間にかじっと見入っている──ここの台詞は子どもの頃は気にも溜めなかったのですが、親という立場になって、発達障害を抱えた子どもを育てながら改めて見返したとき、込み上げてくるものがあります。

 

娘に机を買い与えた理由

とはいえ、机の使いみちは何も勉強するためだけではありません。幼稚園のころから紙と鉛筆とホチキスで何十冊とマンガを描いてきた娘も、そろそろケント紙やらGペンやらスクリーントーンやらを駆使して本格的なマンガ原稿を書きたくなってきたのだそうです。

そのためには、今までのように茶の間の家具調コタツではどうしても集中できないので、従姉妹や友達の家のように自分専用の机が必要、と訴えてきました。ちょうど先日ROCKETの面接審査でも、中邑教授から「得意なことは徹底的に極めたほうがいい」とアドバイスをもらったこともあり、親としてもついに決断を下したのです。

 

www.nitori-net.jp

 

荷解きしてすぐに組み立て終わると、窓際の特等席にセッティングし、早速お気に入りの参考書やアイテムを配置。窓の外にはアゲハたちの蝶道になっているアパートの敷地がひろがっており、自作のタペストリーで仕切った空間から、柔らかく光が差し込む先を一人しみじみと眺めておりました。

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すると早速ツイッターにも #レトロ少女漫画版深夜のお絵描き一本勝負 を投下。

 吉祥寺のユザワヤ仕入れスクールGも大活躍です。

 

贖罪

ところが次の晩、久しぶりに波乱が起きました。

学校では二学期が本格的に始まったので、我が家のライブラリ・スクーリングでも予定表・計画表を練り直そうということになり、改めて今までの「スマイルゼミ」「チャレンジタッチ」の学習記録を振り返ってみました。

すると、スマイルゼミは毎月早々に全講座を片付けている一方、チャレンジタッチのほうは、どうやらここ数ヶ月、あまり取り組んでなかったことが判明。学習記録も虫食いだらけです。

それも、教材との相性が合わなくてやる気が起きない、 というのならまだわかりますが、今年度の契約更新のタイミングで「是非続けたい」と娘の側から頼み込んできたのに、です。

 

パパとしては、夏休み前からの生活リズムを見ていてひとつ気になっていることがありました。それは、「お絵かきの練習ができる」「桃鉄は地理の勉強になる」というので放置していた、3DSの使用状況です。

そういえば最近、桃鉄やお絵かきに取り組んでいる様子がなく、無料でダウンロードできてしまうお試しゲームにハマってしまい、持ち前の集中力で何時間も没頭しているみたいだな、とは薄々感じていました。

 

机、3DS、そしてチャレンジタッチの年間契約……

今年の夏は何かと出費が嵩んで懐具合も切迫したこともあり、娘と膝を突き合わせて話し合い、「生活リズムと学習習慣が一学期のように軌道に戻るまで3DS没収」という約束をしました。

n-styles.com

 

言っときますが我が家の3DSは折れてませんからね。

 

その夜。

 タペストリーの隙間から光が漏れているので覗いてみると……

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黙々と、やり残したチャレンジの講座に取り組む娘の姿が。

 

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あれ?

何かイラストみたいなのが見えるけど。

「たるん」?……ま、いっか。明日も早いからパパ先に寝るよ。

 

 

翌朝、娘が図書館に出かけた後、そっと机を覗いてみると…… 

 

 

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「たるんでいる!」

と喝を入れるウーパールーパーが。

 

他にも

「せいかつしゅうかん」
「チャレンジおくれとりもどし」
「これをかえしてほしいならきちんと」
「わすれものNG」
などの文字が確認できます。

 

どうやら、お医者さんからの診断にもあったAD/HDの「注意欠陥」の自覚症状を強く意識したようで、何とか克服しようという強い決意が感じられました。

 

振り返ってみると、2年生のときに不登校になって以来、「どうせ自分なんて…」と自分を卑下し、何ごとも諦めが早く、いつの間にか自尊心が低い子どもになっていました。ですから、娘にもまだこんなに克己心のような精神力が残っていたのかと、新鮮な驚きを覚えた瞬間でした。

 

いや、ひょっとすると、「不登校」というレッテルを剥がして「ライブラリ・スクーリング」という看板を掲げ、「発達障害」としてではなく「ギフテッド」として育てると言い聞かせる日々のなかで、一度は喪失した自尊心が、徐々に回復してきた証左なのかもしれません。

 

以来、図書館にもチャレンジタッチを持参するなど、前にも増して真剣に日々の生活を送っている様子です。

 

 

さて、翌日、再び娘の机を覗いてみると……

 

 

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「くいあらためよ」

我が子ながら、 なんとストイックな。

 

 

さすがは『聖☆おにいさん』を何周も愛読しているだけのことはあります。

 

聖☆おにいさん(1) (モーニングコミックス)

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